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代々木高校の生徒が真珠の浜上げ作業-志摩の地場産業の実態知る

代々木高校の生徒が真珠の浜上げ作業-志摩の地場産業の実態知る

代々木高校の生徒が真珠の浜上げ作業-志摩の地場産業の実態知る

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 英虞湾の中央に位置する賢島にある広域通信制高校の「代々木高校」(志摩市阿児町神明)の生徒が2月12日、地元真珠養殖業者の井上光さんの協力の下、3年生の総合学習の授業で志摩の地場産業でもある真珠養殖業を体験するため真珠の浜揚げ(採集)作業を行った。

代々木高校の生徒が真珠の浜上げ作業体験

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 昨年8月、男子生徒11人が参加し真珠の元となる核をアコヤガイ500個の中に入れる挿核作業を体験。今回の作業には5人の生徒(うち女子生徒1人)が参加し、アコヤガイの殻一個一個をナイフで開け真珠を取り出した。

 井上さんからアコヤガイの開け方、貝柱の位置、真珠が入っている場所などについてレクチャーを受けた生徒たちは見よう見まねでトライした。最初はぎこちなく行っていた作業も次第に慣れ、500個むき終わるころには作業のスピードも上がり、きれいに殻から真珠だけを取り出していた。

 井上さんは「8月から赤潮の元となるプランクトン・ヘテロカプサが増え、このまま英虞湾につっておけばアコヤガイが全滅すると思い、10月に尾鷲までイカダを移動したので大変だったが、おかげで生徒たちのアコヤガイを無事守ることができた。今年は少し巻が薄いかもしれないが、まずまずの成績では」と話す。

 一連の作業が終わると生徒たちは「(汚い仕事で)大変だった」「(水が)冷たかった」「(作業が)難しかった」などと感想を漏らした。その後、生徒たちは真珠養殖の副産物でもある勾玉(まがたま)の形をしたアコヤガイの貝柱を刺し身やバター炒めなどで試食した。

 井上さんは「現在真珠養殖業界は長引く不況の影響で大変な時を迎えている。真珠養殖を始めてこれまで100年たったが、さらに100年継続できるビジネスとして成り立つように後継者の育成にも力を入れたい。こうした若い人たちが少しでも真珠養殖に興味を示してくれればうれしい」と期待を込める。

 生徒たちは2月27日に、取り出した真珠をアクセサリーに加工する作業を行い、自分たちが作った真珠のアクセサリーを身に着け3月9日の卒業式に臨む。

伊勢志摩経済新聞VOTE

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