志摩に陶芸もできる「農家体験民宿」-国の規制緩和で実現

陶芸や無農薬野菜の収穫体験ができる宿泊施設として築110年の古民家を蘇らせ、開業した「農家体験民宿 源(げん)」

陶芸や無農薬野菜の収穫体験ができる宿泊施設として築110年の古民家を蘇らせ、開業した「農家体験民宿 源(げん)」

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 国の規制緩和で全国的に「農林漁業体験民宿」の開業が増えている。今年1月、伊勢志摩地域第1号、三重県内では5番目となる「農家体験民宿 源(げん)」(志摩市阿児町国府2857、TEL 0599-47-4323)が、陶芸や無農薬野菜の収穫体験ができる宿泊施設として築110年の古民家を蘇らせ、開業した。経営は、内装業を営む仲川工芸(同)の代表者の仲川源一さんと長男でインテリアデザイナーの憲文(のりふみ)さんが行う。

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 「農林漁業体験民宿」の開業は、1994年制定2005年6月改正後同年12月施行の「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(略称「農山漁村余暇法」)」によるもの。客室面積要件(旅館業法)、客の送迎輸送(道路運送法)、体験ツアーの販売・広告(旅行業法)、消防用設備の設置基準(消防法)、間仕切り壁・非常照明装置など設置基準(建築基準法)などの規制が主な緩和になる。

 農林水産省によると、同タイプの民宿は2003年度=108件、2004年度=180件、2005年度=270件、2006年度=402件と右肩上がりで増加し、全国では合計960件が開業している(三重県では5件)。健全な経営を目指して都道府県レベルでも「開業指南」を積極的に後押しし、三重県農水商工部農山漁村室ふるさと振興グループ(津市、TEL 059-224-2551)でも開業相談など受け付けている。

 「源」は、金沢工業大学建築学科を卒業後、金沢市内の設計事務所で修行していた憲文さんが志摩に戻って来てから構想し、昨年8月から改修作業を開始し、今年元旦の開業にこぎ着けたもの。憲文さんは「金沢でも古民家の再生をいくつかこなしていたので、『わが家』もいずれリフォームしなければいけないと思っていた。始めは自分の部屋をリフォームするつもりで、うまくいったら古民家カフェを始めようか、内装業のモデルルームとしても利用できるし。と軽い気持ちで、できるだけ経費をかけずに取り組んでいた」と話す。

 阿児町国府地区は国府海岸の近くにありながらも昔から農業が盛んな地域で、「家」の作りも独特。潮風から家を守るように槙垣(まきがき)で囲まれた敷地に本屋、蔵、隠居屋が建てられる。隠居屋とはこの地方の風習「隠居制度」によるもので長男が結婚すると親世帯が移り住む家のことをいい、今でも「隠居制度」にのっとった「家」が数多く残る。同民宿は、木造平屋建て、築110年の「隠居屋」を改修、洋室7.5畳、和室6畳×2、縁側、台所、洗面トイレ浴室がある。

 憲文さんは「2006年9月から愛犬の『シバ』と共に志摩での生活をブログにした『シバちゃん日記』を書き始めた。志摩の素晴らしい風景などを写真で紹介していると、全国の方から見てもらえるようになった。何よりもシバとの散歩を通して自分自身が地域の素晴らしさを改めて実感している。地域に残る風習・文化・建物などをうまく生かしながら、ワクワクして散策できる町にしていければ」と次の思いを打ち明ける。「通常よりも料金を高めに設定しているので、これまで宿泊してくれた方はまだ2組だが、問い合わせも多く、予約も何件か頂いているので焦らずに運営していきたいと思う。陶芸や古民家、この地域に興味のある人に来てほしい。宿泊した2組は共に『シバちゃん日記』を見た『シバ』のファン。『源』は『シバ』でもってるんですよ」(憲文さん)とも。

 宿泊は1日限定1組予約制。利用料金は、大人1人=8,400円~14,700円(休日前は1,000円加算)。チェックイン=15時~、チェックアウト=11時30分。「モデルルーム」としての見学も受け付けるが、事前連絡が必要。

関連写真モデルルーム農家体験民宿「源」シバちゃん日記三重県阿児町に伝承される隠居慣行の住み方三重県心豊かな里づくり研究会

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